シミュレーションによる創薬のメリット
「ウコンの力」にも含まれるClucuminは自然由来の物質で人体に影響が少ないとされています。近年このClucuminがアルツハイマー病に対して効果があることがわかっており、Crucuminをベースとした新薬の設計をしています。
細菌に直接作用する薬剤では細菌が薬剤耐性を持ってしまうため、しばらくすると同じ薬が効かなくなってしまいます。そこで、細菌が分泌する酵素に作用することで細菌には直接作用せず薬剤耐性を持たせない薬の設計を行っています。
FMODDは、FMO(フラグメント分子軌道法)を用いた創薬研究を行う研究グループです。その中でも私達の研究室では核内受容体をターゲットとした研究を進めています。
DNAの伝達機構の解明をFMO法やMD(分子動力学法)を用いて行っています。過去にはナノ材料の特性解析やがんの抑制薬の提案なども行ってきました。
化学、物理学、生物学の基礎知識が研究を行うために必要です。しかし、初めから知っている必要はありません。研究室配属後、勉強会を行いますので、学ぶ機会は十分にあります。大切なことは、興味や関心、そしてやる気です。
シミュレーションに使う並列計算機の設定・管理も行いますので、計算機やネットワークの知識も吸収できます。また国際学会発表や海外研究機関との共同研究などがありますので、語学能力を活かすこと・高めることができます。
我々の研究室には俗に言う「コアタイム」と呼ばれるものはありません。限れた時間の中でそれぞれの個人が計画的に研究を進めていきます。ゼミ室、サーバールーム、居室(研究室)が2部屋あり、研究テーマに関係なく割り振られています。さらに研究室チャットツールを利用してコミュニケーションを円滑に行っています。
自分が所属する研究グループのゼミと研究室全体のゼミをそれぞれ週1回行います。学生は、研究の進捗状況を毎月1回程度、研究室全体のゼミで報告します。学生同士でも率直な意見を出し合い、研究のレベルを高めていきます。コアタイムが無い分、ゼミには基本的には毎週出席してもらいます。
修士学生は、修了時までに論文投稿や学会発表をします。また、やる気があれば、学部学生でも研究成果を発表できる機会があります。海外の学会にも頻繁に参加し、アメリカやヨーロッパ各地の学会で学生が研究成果を発表・議論しています。
2005年度に1名、2006年度に2名、2010年度に2名の学部4年生が本学の援助を受け、海外実務訓練として、米国プエルトリコ大学に2ヶ月間滞在し、研究活動を行いました。 また、2014年度には、タイのウボンラチャタニ大学にて2名の学部4年生が2ヶ月間の研究活動を行いました。
2015年度:ウクライナで2名、タイで2名
2016年度:トロムソ(ノルウェー)1名、ウクライナで2名、アメリカのサンノゼで1名
2017年度:トロムソ(ノルウェー)1名、ウクライナで2名、タイで2名
2018年度:トロムソ(ノルウェー)1名、タイで2名、国内(村田製作所)1名
毎年、ウクライナ国立科学アカデミー、ノルウェーのトロムソ大学(北極圏大学)、タイのウボンラチャタニー大学との共同研究が特に盛んですが、チャレンジ精神のある学生は、海外の共同研究先での実務訓練を行うことができるかもしれません。また、国際学会にも頻繁に参加し、アメリカやヨーロッパ各地の学会で学生が研究成果を発表・議論しています。
今年度、実務訓練にてノルウェー・北極圏大学に2ヶ月間滞在した学生が作成した動画です。
(動画の容量が80MBほどあるので、Wi-Fi環境での視聴をオススメします。)